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Simple is bestとSimple is the bestってどう違うんだろう?
パッと見同じだけど「the」があるかないかでそんなに意味が変わるだろうか?
といった疑問を抱いたことがあるかたは多いはず。
結論として、意味としては大体同じです。
意味としては大体同じなんですが、醸し出している英文法特有の艶かしさとニュアンスが違ってきますのでその辺を解説していきます。
そもそもSimple is bestとSimple is the bestは何が違うのか
そもそも
Simple is best
と
Simple is the best
の違いは、見てお分かりの通り「the」があるかないかです。
俺か、俺以外か。
そんな感じです。
ちなみに、theのことを英文法の世界では「定冠詞」と呼んでいます。このほかに似たものとして「a」があります。これは「不定冠詞」と呼ばれています。
定冠詞と不定冠詞の違いとは?
- the
- a
面倒臭いな・・・・と思いましたよね?
こんなのどう区別せえ言うねん。ネイティブのニュアンス的なもんやろ、言葉で説明されてもよう分からんねん。
いやそんなこともないんです。
theというのは、2回目以降に出てきた「名詞」にひっつくのに対し、aは初めて出てきた「名詞」もしくは一般的な「名詞」くっつきます。
だから「定冠詞」と「不定冠詞」なんです。
つまり書いて字のごとく、定まっている冠詞、或いは、定まっていない(不)冠詞。
こんな会話を想像してみてください。
A「サントリーの新しい水飲んだ?」
B「いやまだ飲んでない」
A「あれすごく美味しいからおすすめだよ」
この時に「あれ」を英語では「The water」と言います。
あれ=サントリーの水と特定することが出来ますよね。会話の中で「水」が何を指すかは定まっています。ですから定冠詞「the」を使うということです。
実際、aとtheの使い方でよう分からんと思ったら、それより前の文にそれについて言及しているか否かで見分ければいいのです。言及していたらthe、していなかったaを入れれば正解です。
で、「a」はいつ使われるのかと言いますと、こんな場面です。
A「水飲む?」
B「ありがとう」
A「はい、(水)どうぞ。」
Aの最初の「水飲む?」の前には「a」がつきます。理由はどの水か特定されているわけでも、それ以前の会話で「水の話題」があったわけでもないからです。
で、2回目の「はい、(水)どうぞ。」の時は「the」を使うことになります。
なぜ僕は意味は「同じ」ではなく「大体同じ」と言ったのか
なぜ僕が「同じです」と断言せずに「意味は大体同じ」と言ったのか。
それはやはり日本語にもあるように、気持ちの良い言葉の響き「語感」を重視した点、それから、あえて区別しようと思えば出来るのではないかという科学的アプローチのためです。
まず大前提として、
Simple is bestとSimple is the bestの違いは補語が形容詞になるか名詞になるかの違いでしかありません。なので意味としてはどちらも「シンプルが一番だよね」という意味です。
補語が形容詞か名詞かによる違い
The water is good.
The water is goodness.
例えばこんな文があったとします。
意味はなんとなく分かりますが、後者ってなんか気持ち悪くないですか?
気持ち悪いんですよ。
形容詞で表現できるものを名詞にすると気持ち悪いんですよ。
語感も悪いし、意味もなんか「ああん?」という感じですし、なぜそれをあえてそうする必要があったの?という疑問しか残りません。
日本語で言えば、
コーヒーは美味しいね
ではなく、あえて、
コーヒーは美味しい飲み物だよね
と言っているようなものです。
気持ち悪くないですか?生理的にという意味ではなく、語感的に、言い回し的に。
Simple is bestとSimple is the bestの違いを考えて思い出した小説
川端康成の雪国って僕は何回読んでもその文章の美しさに感服するのですが、世の中には全くそうでない人もいるようです。
文章を読み解く力と文章を書く力の因果関係はどうか分かりませんが、少なくとも、まともな文章、それよりも上手い文章を書ける人は他人の美辞麗句にも敏感なような気がします。つまり、語感は外さないし、誤用も少ないはずです。
日本人なら日本語を使えて当たり前と思っている方は多いですが、これを機にもっと日本語、或いは、言葉というものの奥深さを味わってみてもよいのではないでしょうか。
また、日本語の限界が英語の限界と言われているように、英語運用能力には日本語能力が不可欠です。ただのツールの枠を超えてしまった芸術的言語は奥が深いんです。