
- 読書嫌いだけど読んだ方がいいのは知ってる
- 集中出来んのよな
- 映画でよくない?
- まあ読めるようになったらという憧れはあるが…
今回はこのようなお悩みを解決します。
僕自身、人生で初めて本を読んだのは17歳の時でした。
太宰治の「人間失格」を読んだのですが、本当に衝撃的でした。
今でも当時の衝撃を鮮明に覚えています。
「なんでこんなものを今まで読まなかったんだ!」
と、本当に運命のようなものを感じましたね。
その感動から毎日本屋に行って本を買って、多分1年で300冊以上は読んだと思います。
でその影響のまま、大学は文学部にしました。
太宰治 人間失格
読書嫌いの初心者におすすめする短編小説3選
- 伊豆の踊り子
- 驟雨
- 海と毒薬

と思った方も多いでしょう。
でも太宰治って十中八九暗いんですよ。
面白いのですが、初心者には刺激が強いというか、感受性が強い方だとそのまま玉川上水で入水自殺とかしちゃうかもしれないんで、まずは純粋に面白い短編小説を。
01・伊豆の踊り子
川端康成といえば、ノーベル文学賞を受賞した雪国と伊豆の踊り子が有名ですよね。
個人的には雪国が好きなのですが、あれは結構長い。で、読む側にもレトリックの知識を求めてくるような部分が多いので、まずは伊豆の踊り子で「川端文学の美しさ」を味わってもらいたいなと思います。
伊豆の踊り子のあらすじ
超ざっくり言いますと、おじさんが踊り子に恋をするお話です。
02・驟雨
彼の小説は、誤解を恐れずに言いますと8割エロい話です。
でもラノベとかとは違いまして、これ一応芥川賞、一応というか芥川賞を受賞するようなちゃんとした純文学なんですよね。
どっちかというと、人の「愛」とか「恋」という心情をエロという幻想的なエフェクトを使って書いているといった感じですかね。
実際、読んでいても性的な興奮より「ん〜。」という趣深さの方が感じ取れるんですよ。
あと彼の良いところは、文章が非常に読みやすいところです。後述しますが、谷崎潤一郎という作家もまたエロいことばっかり言ってますが、僕は断然吉行淳之介派です。
驟雨のあらすじ
サラリーマンが娼婦に恋をするお話です。
03・海と毒薬
これは超絶名作です。
上2作に比べると文量はちょっと多めですが、それでも読んでほしい。
著者の遠藤周作って、クリスチャンなんですよね。なのでそっち系を題材にした作品が多いんです。
ちなみに彼の作品「沈黙」はマーティン・スコセッシによって映画化もされています。
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海と毒薬のあらすじ
九州大学生体解剖事件という、戦時中に起きた解剖実験(事件)を基に書かれたお話です。米軍の捕虜を解剖の被検体として、倫理観のかけらもない実験を繰り返していくですが、その中で日本人とクリスチャンの倫理観を相対的に見ていく作品です。
これは読んだ後に本当に深くため息をついて、しばらく何も手に付かなかったくらい考えさせられた本です。
初心者が最初に読んではいけない作家3選
- 三島由紀夫
- 谷崎潤一郎
- 晩年の芥川龍之介
好みにもよると思うんですが、僕は三島文学と谷崎文学はちょっと好きになれなかったです。三島に関しては、「THE秀才」という感じの文章なんですよね。
硬くて、ビシッとしていて、超絶論理。みたいな感じです。
彼の死に方を見ればまあなんとなく、「ああ。そうか。」と納得するかなと思います。
三島事件
三島事件(みしまじけん)とは、1970年(昭和45年)11月25日に、作家・三島由紀夫が、憲法改正のため自衛隊の決起(クーデター)を呼びかけた後に割腹自殺をした事件である。三島が隊長を務める「楯の会」のメンバーも事件に参加したことから、その団体の名前をとって楯の会事件(たてのかいじけん)とも呼ばれる。
この事件は日本社会に大きな衝撃をもたらしただけではなく、日本国外でも速報ニュースとなり、国際的な名声を持つ作家の起こした異例な行動に一様に驚きを示した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
谷崎文学はもう変態。文章も変態的。
ああいった文学が好きな人は本当に変態だと思いますけどね。
芥川の晩年は絶望しか感じない
- 大導寺信輔の半生
- 点鬼簿
- 河童
- 歯車
この辺になると太宰治の暗さとはまた違った、もう本当に死ぬ直前の人が書いている感じがすごい伝わってくるんですよね。
生きていることに絶望した人間が書く文学。
この辺は、僕も読んでてかなり悪影響を受けました。歯車とかはもう結構僕も心もやられました。
で、この芥川の晩年の暗さをそのまま継承しているのが太宰治です。
芥川の晩年に比べると、まだ太宰の方が明るくて楽しい作品は多く出していますよ。
芥川龍之介の遺書 »或旧友へ送る手記
01・三島由紀夫
三島文学の中でも多分一番読みやすいかなと思います。
仮面の告白とか金閣寺などは文学作品としては素晴らしいですけど、本当に玄人向けです。
02・谷崎潤一郎
上・中・下からなる『細雪』は素晴らしいと思います。
ただ長編なので初心者の方にはやっぱり向かないかなという感じでして、慣れてきたらチャレンジしてみてください。
03・晩年の芥川龍之介
この辺とか本当、読んでてかなり辛いです。
太宰治の人間失格とか読んで、それでも尚もっと人間の絶望がみたければどうぞという感じです。
そのほか、ランダムにおすすめの作品
もし読書にハマったらぜひ読んでほしいと思う作品をいくつか取り上げてこの記事を終わります。
それから 夏目漱石
実は僕が1番好きな本です。
ただ言葉遣いや、時代背景なども去ることながらちょっと長めなので初心者にはどうかなという感じです。
主人公と僕が重なって見えて仕方ないんですよ。
雪国 川端康成
本当に美しいです。
文章が異常に美しいです。
川端康成の文学は全部、美しいです。
死者の奢り・飼育 大江健三郎
飼育が芥川賞を受賞しています。
大江健三郎は日本で2人目のノーベル文学賞受賞者です。
読んで損はないと思いますね。
砂の女 安部公房
安部公房の作品は基本的にどれも面白いです。
設定がシュールなものが多いんですが、それでもズバッとmake senseする作品が多いですね。この砂の女も純文学とするには結構「ん?」という感じですが、それでもやっぱり面白いです。
堕落論 坂口安吾
これは小説ではなく、エッセイですね。どちらかというと。
内容は人間の本質について語っていて、戦後の日本、戦前の日本について彼は語っていますが、目まぐるしく変わる現代にも通用する考え方を多く学べます。
戦後文学の必読書なんじゃないですかね。
次で最後です。
斜陽 太宰治
人間失格もさることながら、これを読んだ時に本当に「わあ、天才だ」と感動した覚えがあります。
太宰治は本当に天才。
これ読んだら多分全員そう思うんじゃないですかね。
こちらも戦後文学の必読書です。
以上、文学についてはまたいつか書きます。