【おすすめ】中島らも「ガダラの豚」のあらすじと感想・ネタバレあり

こんにちは、UMW学長の和久井港(@misanwakui)です。

今回は中島らもの著「ガダラの豚」を読み終えましたので、その感想とこれから読もうかと迷っている方向けにあらすじもご紹介していこうと思います。

また最後にネタバレも書いておきますので、「あらすじを知ってパッと要点だけ掴めれば別にいいよ」という方はぜひ読んでいってくださいませ。

あらすじ

トリックや奇術のコメンテーターとして活動する民族学者の大生部教授とその家族が、番組の企画でケニアの「呪術師の村 クミナタトゥ」へ調査に出向く。そこで強力な呪いにかけられてしまう。次々と番組関係者が不慮の死を遂げる中、大生部は家族を守る為に奔走する。大生部は家族そして自分の身を守れるのか?

めっちゃざっくり言うと、このような感じです。何せ三部作ですから、数行にまとめて紹介するのは難しい限りです。

という訳で、もう少し本編の内容に触れながらあらすじを箇条書きで紹介するとすれば、以下のようになります。

  • 大生部多一郎と逸美夫妻は長女の志織をアフリカで亡くす
  • 妻の逸美が新興宗教「聖気の会」に没入していく
  • 特番の企画で多一郎・逸美そして長男の納がケニアのクミナタトゥを訪問
  • クミナタトゥのバキリという呪術師に呪いをかけられてしまう
  • 番組関係者が次々と不審な死を遂げる
  • バキリと大生部一家の死闘が始まる

このように見ると、ハリーポッターみたいなファンタジー系の小説とも取れるのですが、実際はミステリー小説のような怪奇さや不気味さが常に漂っている作品となっております。

ガダラの豚の感想

まず、率直に面白かったです。かなり面白い作品だと思います。

毎日夜の0時くらいから当作品を読んでいたのですが、あまりにも面白かったので朝4時くらいまで読みふけって、一瞬眠りに落ちたかと思うと続きが気になってまた昼くらいまで読みふけるというような生活を3日続けておりまして、読み終えてしまった現在は物寂しく感ぜられ、もう一回最初から読もうかなとも思うくらいです。

中島らもという作家は以前から知っていましたが、純文学かぶれの私にとって彼は「まがい物作家」というイメージしかありませんでした。

ただ今回ガダラの豚を読んでいるうちに、

「らもってこんな綺麗な文書くんやなあ」

「これは言い得て妙やなあ」

とかなり感心せざるを得なかったというのが本当のところです。私ごときが上から目線で論評して良い作家ではないことは十分にわかりました。

作品の感想としては、ミステリーなのか、ファンタジーなのか、それとも歴史小説なのか。かなり多くの要素が絡み合った作品になっておりまして、最後の参考文献も普通の小説とは比ではないくらい多かったです。

色々な解釈ができる作品だと思いますね。ただ私は普通に読み物として面白い作品という印象です。

純文学のように人間の内面についてを深くえぐるというよりも、その辺についてもさらっと触れつつ、軽妙にテンポよく物語を続けていく。といった感じです。

確かに三部作って聞くと「長いな」と思うんですが、それでもスラスラと読ませる文章と構成、それから伏線の張り巡らせ方がかなりうまかったです。

表現も生々しくも瑞々しくもあり、読んでいるだけで「呪い」をかけられるのではないかと不安に思ったほどです。

全体を通して面白いストーリーではあったのですが、その中から私がハイライトしたおすすめというか、個人的に気に入った箇所をご紹介します。(※一部ネタバレあり)

ハイライトした箇所

大生部は骨の髄からの学者なのだ、と道満は信じている。大生部が、自分を擦れっからしにしてマスコミと学界両方が認めるピエロに成りきれないのは、彼が本質的に学者であるせいだった。

ガダラの豚 I

胸が痛くなるほどわかりみです。

ピエロに成りきれないのは彼が本質的に学者であるせいだった、と。少なからず社会で生きていく為にピエロであろうとする人にはわかりみが深すぎる一節なのではないかと思います。

誰しもがあるがままというか、こうでありたいと思うままに生きられている訳ではないですからね。

「生きて、笑い、話し、踊る・・・。僕の予想は当たっていた」

清川は、ぐっと唾を呑み込んだ。

「じゃ、この子は」

「志織ちゃんだよ。大生部さんの娘の志織ちゃんだよ」

ガダラの豚 II

これはネタバレにもなるのですが、死んだはずの長女志織が実は生きていたのか!?という場面の一節です。

これはII部の中でも結構緊迫の場面でして、多くの読者が手に汗を握って読んでいたのではないでしょうか?

実は生きていたんです。ええ、それはマジなの?と、この後の流れが非常に気になる。らもが読者を引きつけて止まない理由をここに見たような気もします。

「我々は虫だ。取るに足らんものさ」

「なら、なぜ生まれてきたんでしょう」

バキリは笑った。

「知りたいかね。教えてやろう。寄ってたかって、世界を認識するためさ。そうでないと、世界は無に帰してしまう。我々の一匹一匹がこの世を在らしめているのだ」

ガダラの豚 III

バキリという呪術師が人間について語っている場面です。

人が世界を認識しようと努めなければ確かに世界は無に帰してしまうというこの世界の真理に迫っている場面です。

これはある意味では、らもがバキリにこのようなことを言わせているのであって、ともするとこれはらも自身が考える人間と社会のことなのかもしれませんね。

ネタバレ

さて、これから読み始めるという方も、今読んでいる途中という方も、最も気になるのがこちらだと思います。

  • 大生部多一郎と逸美夫妻は長女の志織をアフリカで亡くす
  • 妻の逸美が新興宗教「聖気の会」に没入していく
  • 特番の企画で多一郎・逸美そして長男の納がケニアのクミナタトゥを訪問
  • クミナタトゥのバキリという呪術師に呪いをかけられてしまう
  • 番組関係者が次々と不審な死を遂げる
  • バキリと大生部一家の死闘が始まる

死んだはずの長女志織について

大生部夫妻がアフリカで亡くしたはずの長女志織は、実は死んでおらず、クミナタトゥの呪術師バキリのバナナのキジーツとしてかくまわれていたのです。

志織は死んだとされた年である7歳までの記憶が全て抜けており、日本語は話せなくなっております。しかし、番組ロケに参加していた大生部の助手である道満と共演者の清川によって救出されるのです。

志織は8年前に、大生部教授の研究で逸美と共にアフリカを訪れていました。その時、長男の納はまだ幼かった為大生部の実家に預けられていました。

大生部の研究が長引き、彼が家をしばらく留守にしている間に現地スタッフと共に乗った熱気球が操縦不可能となり、事故死したとされていました。遺体は見つからず、ハイエナに捕食されたのだという報告を夫妻は受けていました。

しかし実際は、熱気球が墜落し、他のスタッフは亡くなったものの、志織は生きていたのです。その時、バキリに連れ去られたのでした。

妻が新興宗教「聖気の会」に没入

逸美は近所の知人に誘われて一度だけ怖いもの見たさで聖気の会の会合に出席してしまいます。

教祖である心玉は、多くの会員の前で灼熱の鉄を手づかみしたり、日本刀の刃の上を歩いたりと常人には出来そうもないことを平然とやってのけるのです。極め付けは、あぐらをかいたまま宙に浮いている姿まで逸美に見せつけるのです。

この他の洗脳手法も合間って、逸美は聖気の会に没入していくのですが、大生部家の定期預金が解約され、400万円の現金がなくなっていることをきっかけに多一郎が妻の洗脳を解こうと奔走します。

最終的に、多一郎が番組で共演したミスターミラクルというトリックを暴く手品師が、心玉がやってのけた数々の技をただのトリックであると逸美に実演をして明かし、彼女の洗脳は解かれたのです。

その後心玉たちは逮捕されています。

バキリと大生部一家の死闘の結末は

バキリは奪われた志織(バナナのキジーツ)を取り返す為に遠路はるばる東京までやってきます。

そして、大生部との直接対決が始まるのですが、これはIII部の最後の部分をそのまま引用して最後家族はどうなったのかをネタバレしたいと思います。

個人的にこの最後は大変気に入っているので、皆さんにもおすそ分けです。

「ね、愛してる?」

「え?」

「どう?」

「うむ、・・・愛しとるよ。」

大生部はまっ赤になって答えた。

「ほんとに?」

「学者は、嘘はつかん。よく過ちをおかすだけだ」

病室の湿った空気を、張り手のぱちんと乾いた音が裂いた。

ガダラの豚 III

と、まあこのように最後は最高のハッピーエンドとなっております。

がっつりネタバレしてしまっているので、この記事を読んだ後にガダラの豚を読んでも変に予想しながら読んでしまうかもしれませんね。ただ、結末を知っていても面白いと思います。

やはり、ミステリーでもありファンタジーでもあるんでしょうね。

Amazon Kindleがおすすめ

こちらのガダラの豚、三部作となっておりますが、その合本版がKindleにて1,404円で販売されております。

私は普段KindleとスマホのKindleアプリを使って読んでいます。

例えば、Kindleで途中まで読んでいてもスマホでKindleをひらけばその続きから読めるようになっておりまして、かなり便利です。

基本的にどっちかの充電がなくなるまでは片方で読み、充電がなくなったらもう片方を使うといった感じです。そこまで本をずっと読んでいる人ばかりではないと思いますが、充電等のタイムロスや行動範囲を気にせず読めるのは忙しいビジネスマンや出来る大人にとっては重要なことですよね。

あとはKindle端末であれば、ブルーライトを一切気にせずに読み続けられるというのも私がKindleをおすすめする理由です。日中はパソコンで作業をし、スマホで連絡を取り、SNSをチェックし、それでいてまたタブレットで読書となると、目がいくつあっても足りません。

しかしながらKindleはブルーライトが0です。なので、寝る前に読んでいてもチカチカしないし、翌日の目の腫れなどを引き起こす心配がありません。

ぜひ、Kindle端末も検討してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

中島らもの著「ガダラの豚」を読んでの感想等をまとめてみた記事でした。

これから読書を始めたいと考えている方にもおすすめ出来る本ですし、あとは私のようにずっと純文学しか読んでこなかったという方にもおすすめです。

それでは、また次回お会いしましょう。本を読んだら、「#UMW読書ゼミ」を使ってね!

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